趣旨
産業歯科保健の活動は,労働安全衛生法に定められた酸取り扱い者の特殊健診が実施されている以外には,歯科保健活動が必ずしも積極的に取り組まれている状 況とはいえず,各企業,特に健康保険組合が自主的に活動を展開しているのが現状である.一方,中小企業の特殊健診の実施率は低く,歯牙酸蝕症といった職業 性歯科疾患も過去の疾患ではない。
また歯周病はストレスや過重労働等の作業環境が発症や進展を左右する作業関連疾患に含めるべきという考え方もあること, 情報機器作業が顎関節の不具合を引き起こす可能性が指摘されていること,重篤な歯周病や歯の欠損による咀嚼障害は全身の健康状態と密接に関連することなどを 鑑みると,その解決のためには職域におけるデータを集積・分析し対応を組織的に講じる必要がある.
また,企業が円滑に歯科保健に取り組めるようにするため の社会制度の整備も必須である.そのために望ましい形の産業歯科保健活動の具現化,産業歯科保健に携わる専門職の職能向上,学術的活動の組織化をめざして 活動するために、日本産業衛生学会において産業歯科保健部会を設立した。
1.理念
企業における望ましい形の歯科保健活動の具現化とその継続管理
産業歯科保健に携わる専門職の職能向上
産業歯科保健の学術進歩に資する活動
2.部会構成員
本学会員で,大学・研究機関の研究者,歯科医師,歯科衛生士,歯科技工士,その他部会の趣旨に賛同する者
3.部会活動内容
- 部会大会(総会),講習会・研修会の開催
- 共同研究
- 産業歯科保健に関する資料の収集,出版
- 広報活動,WEBによる情報提供
- その他専門部会に必要な事業
4.部会の財務
部会の運営は,学会本部からの助成金に加えて,講習会,研修会の当日参加費などでまかなう.当面の間,部会通信費等は徴収しない.